注文住宅 設計からの良いご提案
日本国民の多くが陥ってしまったのだ。
しかし、どうだろう。
外資系企業は自信を持って日本の不動産を買い漁っているではないか、そろそろわれわれ日本人も日本人なりの投資理論を生み出し、恐れることなく不動産に投資すべき時期が来たのではなかろうか。
日本における不動産の価格は外人ばかりではなく、もっと日本人が価格形成に参入していくのが本筋ではないだろうかという疑問がわく。
だからといって、いくら日本の不動産がワールドワイドで取引されるようになったとしても、勘違いしてはいけない。
ワールドワイドということは厳しい選好競争に立たされていることを意味する。
すなわち、市場参加者が増えたことは魅力のない不動産の価格を上げることにはつながらない。
何が何でも不動産の価格を上げたいという人がいるが、どうすれば不動産が魅力ある商品になるのかを考えるのがまず先決と声を大にして言いたい。
不動産バブルの80年代後半、どうして住宅地地価までもが急上昇したのだろうか。
これに関する明確な解答は今のところない。
しかし、どうも商業地地価の上昇が飛び火したということは紛れもない事実のようである。
住宅地における地価上昇のメカニズムについて、私なりの解釈は次の通りである。
まず、昭和60年ごろから、東京がアジアの金融センターとの位置付けがなされオフィス需要が急激に増加するという噂が流れた。
当然新しい事務所ビル用地の確保のため、都心や都心に隣接するエリアでの地上げが進んだ。
何が何でも地上げを進めるために、高い価格で土地の買取が進むようになり、都心エリアの地価が急上昇した当時、このエリアに住んでいた人達は地上げで莫大な資金を得ることとなったが、その代替住居として山の手エリアをはじめとした優良住宅地に高い価格で住宅を購入するようになる。
これと同時に、オフイスビルの建設がかつてでは考えにくい住宅エリアに隣接する地域にまで広がりをみせるようになる。
こうなると土地の取り合いが発生し、住宅エリアの土地の価格も高騰するようになった。
政府も住宅減税と称して「買い換え」特例を実施し、これが、ターゲットとなったエリアでの地価上昇を後押したことは事実だ。
結果的に政府は地価上昇を支援したともいえる。
あちこちで地上げが行われ、先祖代々の住みかは郊外へと移されていった。
さらには農地の宅地並課税も加わり、農業を営むより土地を売却する方が得策になってしまった。
こうして住宅地価は急騰し、一般的な勤労者は土地の購入のために収入の多くを住宅ローン返済という債務に充てた。
土地ばかりが高い日本では、建物にはあまり投資されず、まず「予算ありき」で買うものが決まっていった。
その結果きわめて住環境が悪い物件、ひどいものでは、欠陥住宅や違法建築物件でさえ、購入対象になっていった。
やや話題はそれるが、不動産には固定資産税、都市計画税をはじめ、登録免許税、不動産取得税といった多くの税金がかけられている。
税収は「動いたら徴収」という哲学と「取りやすいところから徴収」という方針から税制度を考えているとも言われている。
不動産は「金額がはる」のが一般的であるから、当然にして税額も他の税と比べきわめて大きい。
地価が上がること、土地の売買が活発になることは、税収にとって大きな魅力であった。
したがって、地価の上昇は税源としてこの上ない「蜜」となった。
東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台など、大都市での地価の上昇は願ってもないこととなる。
地方でも、企業誘致を行う一方で地域の活性化も行える。
しかも、税収は安定している。
一方、国民にとっても不動産投資は資産形成手段として裏切ることのないものとしてとらえられていた。
20〜30代でまずマンションを購入し、40〜50代で戸建てへと買い換えを行うにあたって、自らの可処分所得と相談しながらでも不動産購入は十分な価値を見出すことができた。
少し無理をすれば、いきなり戸建ての購入も可能と思えた。
低金利時代では、家賃支払いと住宅ローン返済がほぼ同額であれば、誰だって値上がりの見込める不動産を買わない手はない、そう考えても不思議ではなかった。
ただ、「猫の額」ほどの土地が数億円、否、坪1億円を超えると、人々の価値判断が狂ってしまうのも致し方なかった。
住宅地が投資物件として、しかも大した理論もなく、時には投機の対象となったしかしちょっと考えればおかしいともいえる現象だ。
その結末が現在である。
本来ワールドワイドで動くべき不動産は投資用不動産で、賃貸ビルやホテルといったものである。
現状では、いらぬ心配かもしれないが、このまま不動産市況が回復し、商業地地価がまた上昇するようになると、住宅地への飛び火が避けられないのではないかという疑心暗鬼が頭をよぎる。
そもそも、どうして商業地の地価変動が住宅地の地価に及んでしまったのか、実はその確実な原因はつかめていない。
あるシンクタンクやアナリストは、都市計画制度に問題があるという。
都市計画のうちゾーニングといわれる建築物の用途規制が日本は比較的緩く、ゾーニングが住居系でありながらも商業ビルが建つ可能性があることが主因と言っている。
規制の細分化は機動性を考えると微妙であるが、もしそうであれば今のうちに改善しておく必要があるのではないか。
有識者間でこのような議論があったにもかかわらず、日本の住宅地価対策は本格的な議論にまでには発展しなかった。
地価政策についての長期展望を軽視した結果、そのツケは何倍にもなって跳ね返ってきてしまった。
バブル崩壊後、日本の地価は沈んだままである。
そして、企業倒産が増加し、破産する個人も急増している。
肝いりで購入した住宅を手放す一般市民も増えている。
個人の破産手続きに関する法整備がなされても、これらを経験した日本国民は容易に不動産購入へとは意識を反転させるわけにはいかない。
本来、住宅購入の主体は日本の勤労者である。
勤労者がどんな立場でも貧乏クジを引かされるというのではたまらない。
もし今後、世界中のカネが入って混乱が起きるようになると、また「住宅地地価バブルの発生→貧富の差の発生」という事態が起きかねない。
まずは、明確なルール作りから始めなければならない。
公平、公正を大前提として、住宅地価対策を根本的に考え直し、「人が住むための住宅」としてその存在価値を見出すようにしなければならない。
そのためには、「土地の呪縛」から解き放たれることが不可欠だ。
「土地は利用して初めて価値を見出す」、ごく当たり前のことである。
この当たり前は、住宅地にも言える。
ただし、住宅地では「人間が人間として、暮らせる」ことが前提条件となる。
寝るスペースがただあれば良いというのでなく、「住空間として暮らせる」ことが重要だ。
われわれは何も借金返済のために働いているわけではないのだ。
家族の幸福や私権の確保など、住宅を購入するには目的が必ず存在する。
住み替えにしても、年齢や勤務地などの環境変化を加味して、生活に余裕や幸福感を持たせるための行為と言える。
戦後、借家が整備されないこともあって、日本人の持家意識は高まったと説明されているが、裏を返せば住宅政策がお粗末であったことは否めない。
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